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インターネットゲームKingdom of Chaos 住人ノーチェスの手帳です。わからない方、なりきり等に嫌悪感を覚える方は回れ右推奨です
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ただの日記を、読み物風に描いてみようと思ったけれど、



分かり辛くて、はずかしいので、
ちょっと、表紙の裏に挟み込む事にしました。

わたし。文章を書くと時間経過がむちゃくちゃで、
しつこくなってしまうから作文は苦手だし、
考え込んでしまって、楽しむ事ができないの。

お絵かきも、見て楽しむ以上のスキルは無くて・・・
談話室の皆様を見ていると、なんだかとても、尊敬の気持ちでいっぱいになります。

どんな風に練習したら、楽しみながら、分かりやすくまとめられるのかしら。
無駄なお時間をとらせてしまう文章は、申し訳なくって・・・;

いつもと何一つ変わり無い夜だった。
子供部屋で、双子達の寝顔を眺めながら、布団を掛けなおして、
旦那様の部屋の入り口で、就寝前のご挨拶をして。
自分の部屋の灯りを吹き消して、私は寝床についた。

いつもと違ったのは、立て続けに、嫌な夢を見る事と、
夢から覚める事も無く、パーティーの輪飾りみたいに繋がっている事だった。
何度目かの悪夢で、自分が夢の中にいる事を自覚した時、私は、出口の無い、閉じた夢の中に迷い込んだのだと分かった。


不自然に繋ぎ合わされた悪夢の、無理な接合面を見つける事ができれば、隣り合った他の夢に行けた。
どこかいびつで何かが来るっている夢、はどこまでも繋がっていた。
金属に覆われた大きな建物が並ぶ世界、底なしの沼、深い森、洞窟の中、主を失った館…
いびつな夢の世界は皆一様に荒れていた。

どれ程、走ったのか。
どれ程、歩いたのか。
どれ程、時が過ぎたのか。
何も分からないまま、ただただ異様な悪夢の終わりを探した。


今まで、分不相応な幸せを手に入れすぎた罰なのか、
それとも、頑張ると決めた事への裏切り行為の酬いなのか。

夢から覚める事ができた所で、あの日と同じ居場所があるとも限らない。
それでも帰りたい一心で、閉じた夢の世界を迷い続けた。

瞬きをする度、
目を開くと、現実での目覚めに繋がる事を期待した。

隠された扉を開ける度、
向こう側に広がる見知らぬ異界に落胆した。

どの世界も、終末を迎えたかのように荒れていた。
石に躓き、
砂丘に埋もれ、
朽木で転んで、
瓦礫を越えて行く内に、服は所々破け、靴は潰れてしまった。
飢えや渇き、致命的な傷が無い事は救いだった。
痛む足を引きずりながら、あの世界ではないどこかをぐるぐると歩き続ける。


目が覚めたら、あの人に。
目が覚めたら、子供達に。
目が覚めたら、目が覚めたら。

あの場所を、あの景色を、
日常を、人々の笑顔を。
沢山、取り戻そう。

その気持ちだけで、ここまで、来られたのに。

檻の床をこじ開けてたどり着いた、見渡す限り黒一色の空間。
黒ずくめの紳士服の男は、私に、目覚めへの鍵を与えてくれた。
閉じた夢を歩き続ける勇気をくれたものを対価に頂く、という条件付で。
「      」
男はわたしの、交渉決裂宣言を遮って、悪意の言葉を述べる。
言葉の最後に狐じみた笑顔を添えて、彼は暗闇に溶けていった。


私はどうする事もできず、暗闇の空間に取り残された。
悔しさや悲しさ、申し訳なさ。
色々な気持ちがない交ぜになった涙が溢れてきて、視界と意識が溶けていった。


===

気がつくと、私は柔らかい寝台に横たわっていた。
新しい建物の匂いがする。
ぼんやり目を開くと、見覚えの無い天井がぼやけて映る。
私は、何をしていたのだっけ。
首だけを動かして、辺りを見回す。
広い部屋には一つだけ、薄明かりが灯されている。
ぼんやりと照らされる家具には、見覚えがあった。
今、私が横たわっている寝台も、以前から、使っていた物だ。


不意に、暗闇の世界で話した男の言葉が脳裏に蘇った。
この大陸で出会った多くの人、過ごした季節の事、
皆の笑顔や思い出、見てきた景色。
鮮明に焼きついていたはずの記憶が、形を成さぬほどぼやけてしまっていた。
覚えていたのは、投げ出したままになっている仕事の事、
そして、母親の務めも果さず放って置いてしまった子供たちの事。

焦りと、申し訳ない気持ちと、悲しい気持ちで、胸が潰れてしまいそうになる。
歯がゆさに、シーツを握り締める。


――きぃ、ぱたん。



不意に、扉が開く音と、こちらに近づいてくる足音に気づいた。
起き上がる気力もなく、わたしは横たわったまま、足音と衣擦れの音を聞いていた。


足元も見えない部屋だと言うのに、足音の主は迷うことなく寝台の傍までやってきた。
雪のように白い髪に、土色の肌をした青年が、こちらを伺うように覗き込む。
月のように綺麗な瞳と目が合った。

驚いたように見開かれた彼の目は、すぐに優しい笑顔になった。

安堵の気持ちと、嬉しさと、懐かしさが湧き出て、
さっきまでの、沈んだ気持ちとごちゃ混ぜになる。
思いは言葉にならず、表現方法にも結びつかず、目頭に涙を溜める。

それでも、言いたい事がたくさんあった。
話そうと思うほど、脳裏で単語同士がぶつかり合い、言葉として繋がらない。
何かしなくてはという焦りから、若干萎えた腕で身を起こす。


「ごめんなさい」

言葉になったのは、それだけだった。
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